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《森の植物の歳時記》 [56] 【フデリンドウ(筆竜胆)】

【フデリンドウ(筆竜胆)】 

日当たりの良い草地や、雑木林の林縁などで可憐な花を咲かせます。10㌢足らずの草丈ですから、気を付けていないと見落としてしまうかもしれません。つぼみが筆のように見える事からの名前です。茎頂に1~10個くらいの花を着けます。

太陽が出ている時に開花して、日が陰ると花を閉じます。受粉に貢献してくれる虫を効率良く呼んでいるのでしょう。結実した果実は、がま口を開くように大口を開いて中の種子を吐き出します。果実は好天時は閉じて、雨天時に開きます。大口を開いた中に雨粒が落ちて、中の種子があふれ出すような仕組みです。種子の雨滴散布(うてきさんぷ)と呼ばれます。

初夏に種子散布をした後、親株は枯れてしまいます。種子は秋に発芽して、春を待ちます。落ち葉搔きや下草刈りなどが適切に行われないと育つことができません。近年、見かけることが少なくなっている植物の一つです。生育期間の短いはかない命です。花色の濃さは変異が大きく、たまに白い花を咲かせる株を見ることもあります。



廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)




























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