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《森の植物の歳時記》 [85]  【ヤブカンゾウ(藪萱草)】

【ヤブカンゾウ(藪萱草)】

真夏の野山や道端などで鮮やかな色の花が注目を集めます。花が大振りで八重咲なので、園芸種のように思われる方があるかもしれませんが、古い時代に中国から渡来したとされている野生の植物です。史前帰化植物と位置付けられることもあります。

朝咲いて、夕方にはしぼむ一日花ですが、次々咲くので、長く咲いているように見えます。雄しべの多くが花弁状になっている上に、三倍体という特殊な性質を持っており、結実することはなく、根で増えていきます。

中国ではこの仲間の植物の花を見て憂を忘れるという故事があり、「忘れる」に「萱」の文字をあてることから「萱草(かんぞう)」と称したとされています。日本に渡来して、藪のようなところに生える萱草という意で呼ばれました。

万葉集には、憂きことを忘れる、恋に破れた思いを忘れるなどの意で詠まれた歌が残されています。今昔物語には、親の死を悼み忘れ草(萱草)を植えたという話が伝わっています。

同じ仲間で、ノカンゾウは田んぼの畔などで見られる一重咲きのものです。



廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)































ノカンゾウ


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