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《森の植物の歳時記》[228]【センブリ(千振)】別名 トウヤク(当薬)

三大民間薬(センブリ、ドクダミ、ゲンノショウコ)に数えられる民間薬を代表する植物です。全草が健胃薬、整腸剤として利用されます。千回振り出し(煎じ)ても苦みを感じるくらい強い苦みがあることからの名前と言われています。

生薬としてはトウヤク(当薬)と呼ばれますが、漢方薬と言うよりは、民間薬としての利用が主流です。採取したものを陰干しして、必要な時に煎じて使っていたのでしょう。

意外に思われるかもしれませんが、健胃、整腸薬として使われ始めた歴史は浅く、江戸時代末期以降と言われています。

それ以前は、衣類に付いたノミ、シラミを駆除するために、煎じた液で衣類を洗っていました。また、屏風などを貼る時の糊に煎じた液を混ぜると、虫がわかないとされて利用されていました。​

日当たりの良い、やや乾燥した山の斜面などに生育しますが、近年、見かける機会が少なくなっています。

春に芽が出て、花を咲かせるのは翌年の秋になる二年草で、開花結実した株は枯れてしまいます。そのため、草刈りのタイミングによっては、子孫を残さないで刈り払われることもあり、生育が激減している理由の一つとされています。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)



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