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《森の植物の歳時記》 [236] 【キジョラン(鬼女蘭)】


秋の陽ざしに銀色に輝く毛のある種子の姿は、多くの方がカメラを構えておられます。

夏から秋に咲く花は1㌢にも満たないような小さいものです。この花が結実して熟すのは次の年の秋になります。15㌢はあるような大きな果実は、中に多数の種子を含み、一年をかけて熟します。

種子には種髪(しゅはつ)と呼ばれる長くて銀色に輝く毛をつけています。果実から飛び出す時には銀色の毛が開き、風に乗って旅立ちます。この種髪の姿を、髪を振り乱した鬼女に喩えた名前と言われています。

種子が着地すると、この毛はすぐに脱落して、種子の定着の邪魔をしないようになっています。


大きなハート型の葉は、長距離を移動することで知られる蝶、アサギマダラの幼虫の食草として知られています。常緑で大きく分厚いキジョランの葉の裏で、アサギマダラの幼虫は越冬します。

キジョランは毒性の強いアルカロイドを含む有毒植物です。アサギマダラの幼虫はこの葉を食べることで、体内にアルカロイドを取り込むことで自らを有毒化して、外敵から自らを守っていると言われています。


一度目につくと、その近くに実生を思われる幼苗が見つかりますから探してみて下さい。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)


キジョラン  



















 


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