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415.《ハシカグサ(麻疹草)》

415.《ハシカグサ(麻疹草)》
林縁部などで、あまり日の当たらない湿り気の多い場所などで見かけます。田んぼの畔などで見かけることもありますので、日光が嫌いというわけでもないのでしょうか。
葉が枯れてくると赤褐色になり、黒い斑点が見られたりします。この姿が麻疹の湿疹に似ているからの名前という説があります。麻疹に対する効能があるわけではありません。
名前からはイメージできないような可憐な白い花を咲かせますが、地面を這うように成長するため、小さな花は見過ごされることが多いようです。
茎は触ってみると四角形をしています。花も四弁、雄しべも四本です。四尽しの姿をしていますので、見つけたらそっと触って確認してみて下さい。
一年草ですので、草刈りなどの影響を受けやすく、また、開発などによって起こる土の乾燥など、生育環境が破壊されることが多くなり、見かける機会は少なくなっています。
種子が土中に潜んで発芽の機会を待っていることができるという報告があります。いわゆる埋土種子です。いつの日か環境が変わって、生育可能な環境になる時を待っているのでしょう。思いがけない場所から発芽することがあるかもしれません。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)