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414.《コナラ(小楢)》

414.《コナラ(小楢)》
名前の由来は定かではないようですが、身近で多く見られる木です。
コナラは春に咲いた花(同じ株に雌雄の花が別々に咲きます)が秋には結実してドングリになります。
広辞苑によりますとドングリとは「どんぐり(団栗)、橡栗(とちぐり)の転か? カシやクヌギ、ナラなどの果実の俗称。椀状の殻斗(かくと)があり、果実の下半分を包む。」とあります。
コナラは昔から薪炭材として利用されてきた木で、生活に欠かせない雑木林を代表する木とも言われてきました。堅くて粘りのある材は、熱効率が良く、薪炭材として使われるほかに、シイタケ栽培のほだ木としても広く利用されてきました。
コナラに限らないのですが、ドングリが大きくなってくる頃、ドングリのついている小枝が鋏で切られたように落ちている光景を目にされたことはないでしょうか。
ハイイロチョッキリと言う名の1㎝にも満たない甲虫が卵を産み付けて、葉を数枚つけた枝を切り落とします。ドングリの殻斗に穴を開けた痕跡があります。(この作業はメスのみが行います。)ドングリの中で孵化した幼虫は、ドングリの中身を食べて成長します。成長した幼虫は、秋になるとドングリから脱出し、土中で越冬し、翌年の初夏、蛹化した後、羽化します。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)