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463.《オナガ(尾長)》
463.《オナガ(尾長)》
カラスの仲間で中部地方以北に多く、都市部の公園でも繁殖しているので良く見られます。西日本では珍しい鳥です。
名前の由来になっている青灰色の長い尾、ベレー帽をかぶったようなお洒落な黒い頭、喉から胸にかけては白く、体型もスマートですっきりしています。
声は「ギィェー、ギィェー、ギュイギュイ」などとけたたましく鳴き交わし、姿の格好良さとはちょっと不釣り合いな感じです。
この鳥の生態は面白いことが二つあります。
一つは、托卵に関することで、カッコウはオナガに托卵します。托卵とは他の鳥の巣に自分の卵を産み付け、子育てを他の鳥に任せてしまう繁殖方法で、日本ではカッコウ、ツツドリ、ホトトギス、ジュウイチの4種が托卵鳥として知られています。それぞれの鳥が托卵する相手の種はほぼ決まっていて、カッコウの場合は、ホオジロやオオヨシキリが中心でした。ところがそれらの鳥が托卵を見破りカッコウの卵を排除したり営巣を止めてしまうことが増えてきたので、1970年代ごろからカッコウはオナガを利用し始めました。カッコウが托卵を始めて10~20年経つと、今度はオナガがカッコウの卵を識別するようになり、一方カッコウはよりオナガの卵に似た卵を産む様になり、両者の攻防が続いています。進化の様子が比較的短時間のうちに観察できる例として大きな注目を集めています。
もう一つは、オナガとツミの関係です。都市部における暴君はカラス(ハシブトガラス、ハシボソガラス)で、多くの鳥たちが卵やヒナをカラスに捕食されるので、カラス対策は死活問題です。オナガの場合はツミの巣の近くに自分の巣を作ることにしました。ツミは小型の猛禽でカラスより小さいのですが、そこは猛禽、大変気が強く鋭い爪や嘴を持っていて自分の巣の周辺50m位の範囲から徹底的にカラスを追い払います。オナガはその性質を利用してツミの巣の近くに自分の巣を作り、カラスの襲撃を免れているのです。
最近ツミは都市公園でも繁殖するようになったのですが、その周りにはオナガが集団で営巣しているのが観察されます。私の自宅前の公園でも実際にこの様子を観察することが出来ました。勿論ツミがオナガを襲う事も有るようですが、その可能性はカラスに襲われるよりずっと低いようです。
安武 弘幸氏(NPO法人千葉県森林インストラクター会会員・千葉県野鳥の会会員)
