「ニッセイの森」の1つである宮城県利府町にある「森から考えるESD学びの森」を日常的に管理している「宮城県森林インストラクター協会」が「森から考えるESD学びの森」の他に、同協会が指定管理を行っている施設周辺で見られる動植物等の様子や、身近な植物で子どもから大人まで楽しめる葉っぱ遊びを「学びの森の生態図鑑」として紹介させていただきます。
(写真・解説の提供:宮城県森林インストラクター協会)
「山路きて何やらゆかしすみれ草」松尾芭蕉の有名な俳句です。「菫(すみれ)」は春の季語となっていて、万葉の時代から歌にも詠まれてきました。昔から親しまれてきたスミレ、春になると、アスファルトの割れ目からロゼット状に葉を広げ、咲き誇っている姿をよく見かけます。県民の森でも、園内のあちらこちらで見かけることが多くなってくる季節です。
【アオイスミレ】
春を告げるスミレ、春一番に咲き始めます。スミレはタネに,アリの大好物「エライオソーム」を持っています。アオイスミレには大きなエライオソームがあり、タネをはじき出さずに、ぽとりと地面に落として、アリに運んでもらいます。
スミレ(マンジュリカ)】
スミレ科スミレ属スミレ。「スミレ」という名前のスミレはこれ1種類ですが、スミレ類全般のことも「スミレ」と呼ばれますので、大変紛らわしいのです。学名 Viola mandshurica から「マンジュリカ」と呼び分けることもあります。スミレの代表選手と言えるでしょう。濃い紫の花は、まさに「何やらゆかしい」風情です。
【ヒナスミレ】
スミレのプリンセス。透明感のある淡いピンク色の花は、楚々として上品、プリンセスの品格をもった花です。
【マキノスミレ】
牧野富太郎氏の貢献をたたえ、その名にちなんでの命名。兵庫県~青森県に分布。早春に地面から直接茎をのばし、濃い赤紫の小さな花を咲かせます。
【タチツボスミレ】
とてもよく見かけるスミレ。ハート形の葉。茎を立ち上げて、たくさんの花をつけます。
【ナガハシスミレ】
別名テングスミレ。「距(きょ):スミレの花の後方に伸びる蜜を入れる壺の形をしたことろ」の部分がテングの鼻のように長いので、すぐに見分けがつきます。
【エイザンスミレ】
スミレらしからぬ三列に裂けたキクの様な葉を持っています。短めの茎に、ふんわりとかわいらしい花をつけて、人の目を引きます。とても良い香りがするのですが、地面に近い所に咲いているので、匂いをかぐのは難しいかも・・・
【ニョイスミレ、またはツボスミレ】
スミレの季節の最後を飾ります。群生して、葉の上に小さな花を一面に咲かせている様子は、小人たちがワイワイとにぎやかにおしゃべりをしているようです。
スミレの種類はとてもたくさんあり、スミレだけで本が何冊もかけるほど、と言われます。日本ではその中でも多くの種類と出会うことができます。とても、珍しい種類や絶滅危惧種もあります。
小さな春の訪れを楽しんでみましょう。不思議な花の構造や、虫媒花のしくみも調べてみても面白いと思います。