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ニッセイ緑の財団ニュース

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445.《コフキサルノコシカケ(粉吹猿の腰掛)キノコ類》

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445.《コフキサルノコシカケ(粉吹猿の腰掛)キノコ類

サルノコシカケというのは、1種類のキノコをさす名前ではありません。半円形や扇型で、比較的大きな硬いキノコに「○○サルノコシカケ」というような名前が付けられています。何年もかけて大きくなったものは、幅50cm、厚さ20cm以上にもなり、実際に猿が腰掛けても大丈夫そうです。欧米では、その形から、bracket又はshelf fungus(棚状のキノコ)と呼ばれます。
コフキサルノコシカケも多年生のキノコで年々大きくなります。広葉樹の枯木や倒木に生え、生木の根元などにも見られます。北方から熱帯まで分布しています。コフキというのは粉を吹くという意味で、傘の裏面から飛散した胞子が傘の表面にココアの粉をかぶったように積もることに由来します。
裏面は灰白色で無数の小さな孔があり、ここで胞子が作られます。この裏面は傷つくと茶色になるため、ペンなどでひっかいて、絵などを描くことができ、ヨーロッパなどでは芸術家のキノコとも呼ばれています。
和名のサルノコシカケは面白い名前で、キノコに猿が座っている姿が想像でき、親しみやすい名前です。文学では、宮沢賢治の「さるのこしかけ」という童話の中で、少年が、サルノコシカケに腰掛けていた子猿に連れられ不思議な体験をする物語が描かれています。
枯木や倒木を分解するキノコですが、生きた木の幹や根元の傷口などから菌が侵入し、心材部(中心部分)を腐らせ、樹木に病気を起こすキノコでもあります。キノコが発生している木では枝葉は元気そうに見えても、中心部が空洞化し、強風などで倒れる危険性があります。台風で倒れたケヤキの根元に大きなコフキサルノコシカケが生えていたのを見たことがあります。
平尾信三氏(NPO法人千葉県森林インストラクター会会員・日本菌学会終身会員)
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