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455.《カワラタケ(瓦茸)キノコ類》
455.《カワラタケ(瓦茸)キノコ類》
カワラタケは系3~5cmの扇型、半円形の黒っぽいキノコが重なり合って生え、屋根瓦のように見えるところから付けられた名前です。一年中、最も普通に見られる木材分解菌です。色は変化に富み、黄褐色や灰褐色から黒色でやや青味を帯びることが多いです。表面は短い毛が環状の模様となり、生長している外側周辺は白っぽく、丸く群生すると花が咲いているようにも見えます。
黒く光沢のあるタイプはクモタケ(雲茸)やクロクモタケ(黒雲茸)、地方名ではその形状からキノミミ(木の耳)とも呼ばれます。英語ではturkey tail(七面鳥の尾羽)と言われ、和と洋では見立てるものが随分と異なります。
広葉樹や針葉樹の枯れ木や切り株に生え、低地から山地まで世界中に分布し、様々な環境への適応性が高いキノコだと思われます。
カワラタケは形状がマイタケにやや似ていますが、キノコは薄い革質で硬く、食用には適しません。カワラタケ由来の物質が免疫賦活作用を持つことが見つかり、以前クレスチンという名前で、認可された粉末の抗がん剤として使用されていました。しかし、薬物療法の進展や変化により需要も減ったため、現在は製造販売は行われていません。
カワラタケを煎じたり、お酒につけ薬用酒としたものを飲んだりしている例もあるようですが、カワラタケには毒成分も見つかっており、安易な利用は避けるべきだと考えられています。
平尾信三氏(NPO法人千葉県森林インストラクター会会員・日本菌学会終身会員)

