記事公開日
535.《キッコウハグマ(亀甲白熊)》
535.《キッコウハグマ(亀甲白熊)》
山地の木陰などで見かける多年草です。
キッコウ(亀甲)は五角形の葉の形をカメの甲羅に見立てたもの。ハグマ(白熊)はウシの仲間でチベットなどに成育するヤクという動物の尻尾の毛で作った兜や槍の白い飾りや、払子(ほっす:仏教で使われる白い毛をつけた仏具)のことです。白い花をハグマに見たてたものです。
キッコウハグマの花のつき方は3パターンあるとの報告があります。一つ目は5~10㎝くらいの草丈で、白い花を咲かせます。3つの小さい花の集合で、他花受粉をする開放花です。ガガンボなどの昆虫が花粉を運ぶという報告があります。二つ目は草丈は30㌢近くなることもあり、自家受粉のみで種子を作る閉鎖花です。三つ目は開放花、閉鎖花両方をもつものです。
季節的に、多くの虫に花粉を運んでもらう機会が少なく、確実に子孫を残そうとする植物の戦略ということでしょうか。開放花のみでは子孫が残しにくいし、閉鎖花のみでは多様性が確保できません。
明るい開放的な場所で一面、開放花という場所があったり、林内で枝などが折れてできたギャップで、ピンポイントで開放花が咲いていたりすることがあります。比較的暗い場所では閉鎖花が多く見られるようです。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
