1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

ニッセイ緑の財団ニュース

記事公開日

最終更新日

407.《ニガクサ(苦草)》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

407.《ニガクサ(苦草)

野山のやや湿り気のあるところに生育して、夏に淡紅色の花を咲かせます。雑木林に近い休耕田で繁茂していたりして驚かされることがあります。
名前にニガクサ(苦草)とついていますが、噛んでも苦くないというのが多くの方の感想です。牧野新植物図鑑でも「苦草の意味であるが、この植物の茎や葉はにがくない」と書かれています。ただ、苦味は舌の奥の方で感じる味覚です。じっくり噛んで飲み込むとえぐ味を感じるとおっしゃる方もあります。
種子繁殖もしますが、地下に長い走出枝(そうしゅつし ランナー)を出して株を増やします。
蕾が異様に膨らんでいることがあります。カメムシの仲間でヒゲブトグンバイという昆虫によって作られた虫こぶです。中にヒゲブトグンバイの幼虫、または羽化した成虫が1匹入っています。ニガクサツボミフクレフシ(苦草蕾膨れ五倍子)と言います。
山地の木陰などでニガクサによく似ていて、やや小ぶりな花を見かけることがあります。
ツルニガクサ(蔓苦草)です。蔓性という意味ではなく、ランナー(走出枝)をツルと表現した名とされていますが、ニガクサもランナーを出しますので、区別のポイントにはなりません。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加