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428.《テイショウソウ(禎祥草)》

428.《テイショウソウ(禎祥草)》
千葉県以西から四国にかけての山地のうす暗く、比較的乾燥した林床に成育します。どこでも見られるという植物でもないようで、値域によっては稀少種になっています。
9~11月頃、花茎を立ち上げ、10個前後の頭花を咲かせます。
うっすらとピンクを帯びた花は、小さい花が3個集まって1個の頭花を形成しています。各々の花は花冠(花弁)が細く5裂しています。
花後は1㌢近くもある長い冠毛のある種子を作り、風に飛ばします。
注目されるのは葉に見られる斑紋です。紫色を帯び、白い模様がある矛形の葉は珍しいと注目を集めます。名前の由来は、瑞草(ずいそう:めでたい草)の雰囲気があるので、めでたい兆候を意味する「禎祥(ていしょう)」が冠せられたという説がありますが、牧野新植物図鑑では、日本名の意味はよくわからないとされています。
春の芽吹きの季節には、斑紋の見られる株が多いのですが、全ての株の葉にあるとも言えません。夏になると、ほとんどの葉に斑紋は見られません。秋、開花時期には再び斑紋が見られる株が増えます。種子から発芽したばかりの葉には斑紋は見られません。なんともミステリアスなことです。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
