1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

ニッセイ緑の財団ニュース

記事公開日

427.《ヤマドリタケモドキ(山鳥茸擬)キノコ類》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

427.《ヤマドリタケモドキ(山鳥茸擬)キノコ類

西洋で食菌の王様とも呼ばれるヤマドリタケに近縁のキノコです。従来はヤマドリタケと同じキノコとして扱われていましたが、別種ということで「ヤマドリタケモドキ」となりました。傘の裏がヒダではなくチューブ状の孔(管孔(かんこう))となり、スポンジのように見えるイグチ(猪口)と呼ばれるキノコの仲間です。
傘の大きさは5~20cmで、色は暗灰褐色から黄褐色、時には淡黄色と個体差があります。柄は太く、上部から下部まで、網目模様があるのが特徴で、拡大してみると網目は浮き出たレリーフのようです。幼時には、キノコの裏側の胞子のできる管孔はキノコに特有な細胞が密に集まり、孔は塞がっています。肉眼的には白い菌糸で覆われているように見えます。生長すれば傘の裏は細かい管孔が見えるようになり、淡黄色からオリーブ緑色を帯びるようになります。
ヤマドリタケモドキは夏から秋に、ブナ科の広葉樹の樹下に生える菌根菌です。都市部でも道端の植え込み、公園、雑木林などで普通に見ることができます。
一方、ヤマドリタケは北海道や本州中部以北の亜高山帯のトウヒやモミ類の針葉樹の樹下に生えます。
ヤマドリタケと言う名前は江戸中期の寛政年間に信州地方のキノコを著した「信陽菌譜」にあるヤマドリイグチから採られた名前で、ヤマドリ(山鳥)に羽色が似ているので付けられたと言われています。「オオアワコ」や「ハチス」などの地方名もあります。
イタリアではポルチーニ(porcini、子豚)、フランスではセップ(cèpe)、ドイツではシュタインピルツ(Steinpilz、石キノコ)と呼ばれ、香りや旨味が良いため、人気があり、シーズンになるとヨーロッパ各地の市場に並びます。
ヤマドリタケモドキもヤマドリタケに劣らず美味なキノコで、香りとコクがあり、パスタやリゾットなどの西洋料理や、歯切れのよい食感は、和風料理でも楽しめます。しかし、ヤマドリタケの仲間にも、激しい消化器症状を起こすドクヤマドリなど、よく似た複数の毒キノコが知られています。利用する際は、必ず専門家の指導の下で行ってください。
平尾信三氏(NPO法人千葉県森林インストラクター会会員・日本菌学会終身会員)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加