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ニッセイ緑の財団ニュース

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173.《コバノタツナミ(小葉立浪)》

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173.《コバノタツナミ(小葉立浪)》

タツナミソウの仲間はいろいろありますが、最も身近で見られるのはコバノタツナミでしょうか。
本来は岩の上などに生えているのですが、園芸店でも売られています。
全体に小ぶりなことと、花の咲く姿が波立っているように見えることからの名前です。
葉が短毛で密に覆われており、ビロードタツナミとも呼ばれます。

タツナミソウの仲間の萼は、上下に口を開けているような形をしていて、その上唇に丸い付属物があります。
果実が熟す間は、これが前に倒れて口を閉じたような形になります。
花後、スプーンが重なったような形に見えるのはこの時の形です。

果実が熟すと、上唇は少しの刺激で落ちてしまい、種子を載せた下唇のスプーンが残ります。
このスプーンに雨が降ると、雨粒の勢いで種子は弾き飛ばされて地面にこぼれます。

こぼれた種子は地面に降った雨の流れに乗って広がります。「雨滴散布」と言われます。
このため鉢で育てていても、いつの間にか、庭中に広がってしまいます。

タツナミソウの仲間はタツナミソウやヤマタツナミなど、地域、環境によって様々ですので、探してみて下さい。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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