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ニッセイ緑の財団ニュース

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356.《カシワ(槲 柏)》

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356.《カシワ(槲 柏)》

本来の漢字は「槲」なのですが、中国でヒノキの仲間を指す漢字「柏」が、日本では誤用されてブナ科のカシワに当てられたと言われています。
多くの落葉広葉樹が葉を落として春を待ちますが、カシワは春に若葉が出る頃まで、枯葉が残ります。その姿故に、カシワには「葉を守る神様」が宿っておられると考えられていました。
古くから食物を盛る器として使われていたことから「炊葉(かしきば)」の意という説があります。日本書紀にカシワの葉八枚に食物を盛って饗宴をしたとの記載があります。
現在でも、端午の節句に多くの地域で作られる柏餅は、このカシワの葉が使われます。(地域によってはサルトリイバラやホオノキなどの葉が使われています。)
幹にコルク層が発達していて耐火性があり、山火事に強いとして縁起の良い木とされ、家紋のデザインにも使われています。
葉を落とすための離層という組織の形成が悪く、落葉は春の芽吹きのころになります。
春に雄花と雌花を咲かせ、クヌギに似たドングリができます。クヌギが二年かけて熟すのに対して、カシワは春に咲いた雌花が秋にはドングリとして熟します。殻斗が柔らかいのも特徴です。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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