1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

ニッセイ緑の財団ニュース

記事公開日

最終更新日

355.《イスカ(交喙、鶍》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

355.《イスカ(交喙、鶍》

冬鳥として全国に渡ってきますが、数は比較的少なく、年による変動も大きいのでなかなか見られません。オスは橙赤色、メスは黄緑色で冬の青空に見事に映え、また左右に交差する嘴(くちばし)というユニークな特徴を持つことも有り、人気の鳥です。
冬鳥は普通日本で冬を越すために渡ってくる鳥で、繁殖地は夏の中国北部や極東ロシア方面ですが、この鳥は冬の北海道や本州の山岳地帯などでも繁殖例が有ります。主食はマツの実で子育てもマツの実を与えるので、マツの実さえ有れば大丈夫という事なのでしょうか。親鳥はマツの実を集めて「そのう」という食料を一時的に蓄える器官に入れ、吐き戻してヒナに与えます。
イスカは交差した嘴を松かさの間に入れて、ひねって実を取り出します。マツの実を取り出しやすくするように適応した嘴の形です。鳥の嘴はエサに応じて長かったり太かったり、上に反ったり下に反ったりと色々な形をしていますが、左右に食い違うというのは非常に稀です。
因みにヒナの嘴は食い違っておらず、自分で採餌するくらいに成長すると食い違ってきます。
冬の信州では冬枯れの木に鈴なりに止まったイスカの群れが見られ、クリスマスツリーの飾り物の様です。
安武 弘幸氏(NPO法人千葉県森林インストラクター会会員・千葉県野鳥の会会員)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加