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ニッセイ緑の財団ニュース

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357.《オオバヤドリギ(大葉寄生木)》

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357.《オオバヤドリギ(大葉寄生木)》

大きな木の先端に異質の葉が茂っています。オオバヤドリギです。寄生生活をすることは同じで、「ヤドリギ」が名についてはいますが、分類上はオオバヤドリギ科となります。
房総半島以西の海岸近くに見られることが多いようで、南方系の植物という表現をされることもあります。タブノキ、スダジイなどの常緑樹に寄生することが多いと言われていますが、ケヤキやウメ、スギなどにも寄生していることも報告されています。
自らも光合成をして栄養をつくりますので、半寄生という表現をされることもあります。
長く伸びる枝は蔓のように見えます。宿主の木を覆うように繁茂する姿は、冬のころには特に目立って見えます。
葉裏は茶色の星状毛(星状に分枝した毛)で覆われています。ちょっと擦ってみると星状毛は剝げて緑色の葉が見えます。
秋に咲く花はちょっと変わった姿です。果実は赤く熟すのですが、全体を茶色の星状毛に覆われているため、目立ちません。
果実は粘りのある果肉で、鳥などに食べられ、糞とともに排泄されたときに木の枝に付着するときに役立ちます。
近年、森林伐採などで宿主となる木と共に切り倒されることも多く、残念です。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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