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317.《カナムグラ(鉄葎)》

317.《カナムグラ(鉄葎)》
「八重葎 茂れる宿の 寂しきに 人こそ見えね 秋は来にけり」
拾遺和歌集に載せられ、百人一首でも知られる恵慶法師の一首です。
この八重葎(ヤエムグラ)は、現在、我々が普通に目にする「ヤエムグラ」ではなく、「カナムグラ」の事だという説が有力です。「ヤエ」は沢山あること、「ムグラ」とは何処にでも鬱蒼とはえる草のことを意味しているといわれます。「カナ」は強靭な茎の質感を金属に喩えた名という説があります。
下向きの刺のある茎は、その刺を引っかけながら絡んで這い上り、一面を覆いつくします。草刈りの時には注意が必要です。
恵慶法師の一首は、落ちぶれた人の家の庭に生い茂るカナムグラの姿を詠った一首として知られています。
雌雄別株で、雄株に咲く雄花の花粉は、花粉症を引き起こすことがあります。あまり目立たないことと、知名度が低いことから、目の敵にされることは少ないようですが、秋に目や鼻に異変を感じた方は、注意して下さい。
雌花は苞葉を重ねたような姿で、「小さいホップ」と表現された方があります。
キタテハというチョウの幼虫の食草です。周辺で舞うキタテハが見られるかもしれません。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
拾遺和歌集に載せられ、百人一首でも知られる恵慶法師の一首です。
この八重葎(ヤエムグラ)は、現在、我々が普通に目にする「ヤエムグラ」ではなく、「カナムグラ」の事だという説が有力です。「ヤエ」は沢山あること、「ムグラ」とは何処にでも鬱蒼とはえる草のことを意味しているといわれます。「カナ」は強靭な茎の質感を金属に喩えた名という説があります。
下向きの刺のある茎は、その刺を引っかけながら絡んで這い上り、一面を覆いつくします。草刈りの時には注意が必要です。
恵慶法師の一首は、落ちぶれた人の家の庭に生い茂るカナムグラの姿を詠った一首として知られています。
雌雄別株で、雄株に咲く雄花の花粉は、花粉症を引き起こすことがあります。あまり目立たないことと、知名度が低いことから、目の敵にされることは少ないようですが、秋に目や鼻に異変を感じた方は、注意して下さい。
雌花は苞葉を重ねたような姿で、「小さいホップ」と表現された方があります。
キタテハというチョウの幼虫の食草です。周辺で舞うキタテハが見られるかもしれません。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)