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ニッセイ緑の財団ニュース

記事公開日

318.《カラスノゴマ(烏の胡麻)》

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318.《カラスノゴマ(烏の胡麻)

山野の林縁や道端に生える一年草です。
夏の終わりころ、黄色い花が下向きに咲いて、いろいろな虫を集めます。
花後にできる細長い果実から弾けるように飛び出す種子をカラスの食べるゴマに見立てた名とか、ゴマに似ている種子が人の役には立たないので「カラス」と冠されたとか、名前の由来には諸説あるようです。
花の構造はやや複雑です。花の中央に突き出すようにある雌しべを取り囲んで守っているように見える仮雄しべがあることで知られる花です。
雄しべは花の底のほうにあります。
仮雄しべは花粉は出さず、直接受粉には関わらないのですが、目立ちます。
雌しべをそっと包むように守っているとも言われますが、自家受粉を回避するための構造のようです。
理由は不明ですが、夕方、暗くなってくると葉は下向きに閉じます。
秋には果実も含めて紅葉し、草紅葉は注目に値します。
茎の繊維は強靭で、かつては麻の代用として縄や袋を作っていたようです。
一年草のため、種子散布前に草刈りをされると、繁殖することができません。生育場所が少なくなっていて残念です。
地域によっては稀少種の扱いになっております。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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