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ニッセイ緑の財団ニュース

記事公開日

325.《コブナグサ(小鮒草)》

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325.《コブナグサ(小鮒草)

田の畔のような、湿り気のあるところに生える草です。どこにでもあると言われることもありますが、田んぼの畔など、生育環境の減少で、それほど当たり前の植物ではなくなっているようです。ある所にはあるというのが現状のようです。
一年草なので、草刈りの時期によっては次世代を残すことができなくなります。
また、水辺や湿り気のある場所などの環境が減少していることも関わっているようです。
葉はハート形に茎を抱いて、やや幅の広い葉は縁がやや波打っているように見えます。葉の姿をコブナ(小鮒)に見立てた名前と言われています。
古くから黄色い色の染料として重要視されていた植物です。ミョウバンを媒染剤にして、鮮やかな黄色が発色します。
八丈島の名産絹織物の黄八丈は、黄色い地に黒や樺色(褐色)の格子模様や縞模様で知られています。黄色はコブナグサを椿の灰汁で媒染したものです。
現地では野生のコブナグサと区別するために「カリヤス」と呼ばれて栽培されており、我々が目にするコブナグサよりも草丈が大きいのだそうです。
(「カリヤス」という名の植物もありますので、混同しないように注意が必要です。)
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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