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469.《タネツケバナ(種漬花)》
469.《タネツケバナ(種漬花)》
田の畔などに普通に見られる植物でしたが、年近郊の耕作地が減っている現在、目にする機会が少ない植物となっているようです。
植物ならば種を付けるはずなのに…と名前に疑問を持たれた方はないでしょうか?
種を付けるのではなく、種籾を水に漬けて苗代の準備をする頃に花を咲かせることを意味する名前です。
田起こしが始まる前の水田で、一面、白い花を咲かせているのを見かけることもあります。
種子は10月頃に発芽して、年を越した春に花を咲かせます。
花が咲く前、地面に葉を広げて冬を越す姿は、春の七草のナズナと間違えらえることもあります。
葉はナズナに比べて、やや辛みがありますが、有毒ではありません。お浸しなどにして美味しくいただくことができます。
花後、結実した果実は、ナズナは三角形ですが、タネツケバナは細長い棒状になります。
熟した果実は下からめくれ上がるように弾けて、種子を親株から離れたところまで飛ばします。この時、花芽を食べに這い上がってくるイモムシなどをはじき飛ばすという報告があります。
清水が湧き出ているようなところでは、やや大ぶりなオオバタネツケバナが見られます。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
