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480.《フジ(藤)》

480.《フジ(藤)》
一般にフジと呼ばれている植物は、ノダフジ(フジ)とヤマフジ(兵庫県以西に分布します)に大きく分けられます。蔓の巻き方が右巻きのノダフジに対して、ヤマフジは左巻きです。
花穂の長さがノダフジの方がヤマフジに比べて長いのも特徴です。
共に、古い時代から自生している植物で、丈夫な蔓で物を縛ったり、籠を編んだり、繊維で布を織ったりと、生活に密着していた植物です。
万葉集にも28種の歌が納められています。
藤波の 花は盛りになりにけり 奈良の都を 思ほすや君 大伴四綱(おおとものよつな)
「藤波」という表現が多く用いられているようです。後の藤原氏一族の繁栄にも通じる花とされ、貴族社会で最上級に尊重された植物です。この場合のフジは奈良、京都に自生するノダフジを指しています。
近年、山に人が入らなくなり、フジは伸び放題の状態になって多くの花を咲かせるようになっています。フジ蔓が巻きついた木は締めつけられて真っすぐな木に成長できません。山が荒れている証とも言えます。
庭や公園などに植えられているのも多く見かけます。交配品種だったり、接ぎ木によって作られた苗だったりするようです。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)

