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510.《オオバン(大鷭)》鳥類
510.《オオバン(大鷭)》
ずんぐりした体型で、全身黒く額板と嘴が白い、という分かり易い鳥です。
開けた水面に群れでいることが多く、探鳥会でも一番見つけやすい鳥です。
足指に特徴があり、弁足といってそれぞれの指に水掻きが独立して着いています。カモの足指のヒレの様に指が完全には繋がっていないので、泳ぎはカモに負けますが、水辺を歩くのは得意です。公園などでは岸から上がって草を食べているオオバンの群れをよく見かけます。
水中に潜って草を取るのも得意です。海岸では潜ってアマモなどを良く取っています。潜れないヒドリガモやコクガンはオオバンが採って来た水草を横取りすることが良くありますが、オオバンは気にする様子もなく、平気で一緒にいます。おっとりした性格に見えますが、これはオオタカなどの捕食者から身を守るには自分より大きなヒドリガモやコクガンと一緒にいる方が安全性が高まるというメリットが有るのかも知れません。
実際、オオバンはオオタカなどの猛禽に良く襲われていて、羽根が散乱した食痕を見る機会が多い鳥です。オオバンは開けた水面に浮かんでいるので上空から見つかり易く、飛んで逃げるのには助走が必要なので垂直に飛び立てるマガモなどより遅く、潜って逃げるのはキンクロハジロなどの潜水ガモに比べると羽根に空気を多く含んでいて潜るのに時間がかかります。オオタカからすると捕まえ易い鳥なのです。
そんなオオバンですが、数としては結構沢山いて減っているという事は有りません。近年は増加傾向にあると言われています。
これはオオバンの繁殖方法のお陰です。オオバンは1回の繁殖で6~12個の卵を産み、これはこの大きさの鳥としては多い方です。また、年に2回、条件が良ければ3回繁殖します。ヒナは早熟性で生まれてすぐ泳げ、エサも取れます。
棲息環境としては、公園の池、ダム湖、河川、海岸など水草さえ採れればどこでもいます。
オオバンは高い繁殖力と生息環境の広さで、ある程度捕食されても個体数が維持できるのです。
安武 弘幸氏(NPO法人千葉県森林インストラクター会会員・千葉県野鳥の会会員)
