２９４．《ヒメヒオウギズイセン（姫檜扇水仙）　別名　モントブレチア　クロコスミア》

南アフリカ原産の植物なのですが、ヨーロッパに渡り、交配によって作り出された品種が園芸種として多く出回っています。
日本には、明治時代中頃にモントブレチアの名前で持ち込まれましたが、一般には、日本名のヒメヒオウギズイセンが定着していったようです。
ヒメヒオウギズイセンは日本在来のヒオウギ（檜扇）とスイセン（水仙）に似て、小ぶりであることからの名前です。園芸的にはモントブレチア、クロコスミアなどの名前が使われていることもあります。
結実することは稀で、多くの場合、地下にある繊維に覆われた球根が節ごとに土中で横に這う茎を出して、その先端に新しい球根を作って増えます。旺盛な繁殖力で、人家の近くで野生化しているのを多く見かけます。土の中に球茎のかけらでも入っていると、そこから旺盛に繁殖します。比較的耐寒性もあり、やや日照の少ない場所でも生育します。
在来の植生に影響を及ぼすとして佐賀県では『佐賀県環境の保全と創造に関する条例』により栽培や持ち込みが禁止されています。
増えすぎた株を勝手に森林や公園に植えたり、栽培していた土を捨てたりする行為は慎みたいですね。