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ニッセイ緑の財団ニュース

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302.《アキカラマツ(秋落葉松 秋唐松)別名 タカトウグサ 高遠草》

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302.《アキカラマツ(秋落葉松 秋唐松)別名 タカトウグサ 高遠草

日当たりの良い山地や野原で見られます。
振り返って見るという華やかさはありませんが、淡黄白色の花は花弁が退化している上に、萼も早くに落ちてしまうため、雄しべが目立ちます。この雄しべの姿をカラマツ(落葉松)の葉に見立てた名という説があります。一説に、同じ仲間のカラマツソウに似て、秋に咲く意とも言われます。
雄しべの柄は細くて、花粉袋(葯)の黄色が目立って、花は黄色っぽく見えます。
花の姿はカラマツに見えるのですが、葉は観葉植物のシダ類でアジアンタムと呼ばれたりするハコネシダの仲間に似ていると言われることがあります。
長野県の高遠町(現 伊那市)周辺では、古くから民間薬として使われていたということで、タカトオグサ(高遠草)と呼ばれていました。健胃薬や下痢止めなどに有効とされていますが、アルカロイドなどの有毒成分も含んでいますので、不用意に服用するのは危険です。
小さな花と花の間にハナグモなど、緑色のクモが隠れて、訪花する虫を狙っている光景を目にすることがあります。自然界で繰り広げられる生存競争とでも言いましょうか、ちょっと不気味ですが、興味深い光景です。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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