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303.《ヤブラン(藪蘭)》

303.《ヤブラン(藪蘭)》
山野の林床に自生しますが、近年、街中の植え込みに植えられているのを多く見かけます。
一年中、緑の葉を保ち、夏の終わりを彩るように咲く紫色の花は人気で、グラウンドカバーのように、庭に植えておられる方も多いのではないでしょうか。斑入りの葉のものもあり、花色も濃いものから白っぽいものまで、変異があって楽しめます。
藪のようなところで生育し、葉がラン(シュンランと特定されることもあります)の葉に似ていることからの名という説があります。
万葉集に柿本人麻呂の歌が収められています。
妹がため、菅の実摘みに、行きし我れ、 山道に惑ひ、この日暮らしつ
ヤブランは古くはヤマスゲ山菅とか、スゲ菅と呼ばれていました。
愛しい人のために、ヤブラン(菅すげ)の実を摘みに行って、山道で迷って一日を過ごしたというような意味かと思います。現在では考えられないようなのんびりした話です。
ヤブランやジャノヒゲなどの仲間は、花後、果実の皮が早くに破れて落ちてしまいます。そのため、我々が見ているのは果実(実)ではなく、種子(種)ということになります。
情緒のない話にはなりますが、人麻呂さんに教えてあげたいですね。
一年中、緑の葉を保ち、夏の終わりを彩るように咲く紫色の花は人気で、グラウンドカバーのように、庭に植えておられる方も多いのではないでしょうか。斑入りの葉のものもあり、花色も濃いものから白っぽいものまで、変異があって楽しめます。
藪のようなところで生育し、葉がラン(シュンランと特定されることもあります)の葉に似ていることからの名という説があります。
万葉集に柿本人麻呂の歌が収められています。
妹がため、菅の実摘みに、行きし我れ、 山道に惑ひ、この日暮らしつ
ヤブランは古くはヤマスゲ山菅とか、スゲ菅と呼ばれていました。
愛しい人のために、ヤブラン(菅すげ)の実を摘みに行って、山道で迷って一日を過ごしたというような意味かと思います。現在では考えられないようなのんびりした話です。
ヤブランやジャノヒゲなどの仲間は、花後、果実の皮が早くに破れて落ちてしまいます。そのため、我々が見ているのは果実(実)ではなく、種子(種)ということになります。
情緒のない話にはなりますが、人麻呂さんに教えてあげたいですね。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)












