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ニッセイ緑の財団ニュース

記事公開日

304.《マキエハギ(蒔絵萩)》

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304.《マキエハギ(蒔絵萩)

日当たりの良い草地や乾いた道端などで見かけるハギの仲間です。
名前の由来は、諸説あるようですが、その姿が蒔絵に描かれるハギに似ていることに由来すると言われています。
草丈が50~60㎝ほどと小さいのですが、木本に分類されて、半低木というような表現をされることもあります。
葉の脇から伸びるごく細い柄の先に数個の白色のマメの花を咲かせます。花は小さいのですが、旗弁(きべん)と呼ばれる一番大きい花弁の基部が淡紅紫色を帯びていて、虫を呼ぶ目印になっています。
秋に1個の種子を含む小さい豆果を作りますが、咲いた花全てが結実するわけでもないようで、細い果柄だけが残る姿も見られます。
一方、目立つ花を咲かせないのに、つぼみのような姿のまま、豆果が集まったようになっています。これは閉鎖花(へいさか)と呼ばれ、つぼみの中で、自家受粉をして結実します。絶対に子孫を残そうとしているのでしょう。
可愛い花で、ファンは多いのですが、草地などの生育地が少なくなっていること、他の大きくなる植物に負けてしまうなど、生育地の環境を守ることが難しく、目にする機会は少なくなっています。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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