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ニッセイ緑の財団ニュース

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352.《トチノキ(栃木)》

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352.《トチノキ(栃木)》

トチノキの枝先の芽が目立つ季節です。粘液に包まれて照りがあります。
大きな芽と小ぶりな芽があります。大きな芽は中に花芽を含んでいます。
冬の芽を覆う粘液は防寒対策という説があります。
トチノキは栃木県の県木に指定されていますが、温度変化に強く、-20℃の低温から、35℃の高温にまで適応できるという報告があり、日本全土に広く分布している植物です。
大きなクリを思わせるような種子は、10年もの貯蔵に耐えられると言われ、古くは縄文時代から食用として利用されていたようです。
残念ながら、サポニンなどの有毒成分を多く含み、そのまま食べることはできませんが、地域によって、様々な方法であく抜きをして食べられていました。
現在でもとち餅など、地域の特産品になっているものもあります。
5月頃に咲く白い花は、小さい花の集まりなのですが、木全体を覆うように咲き、良質な蜂蜜が採れ、蜜源としても注目されます。
街路樹や公園樹としても植えられています。
同じ仲間でアメリカ原産のアカバナトチノキとヨーロッパ原産のセイヨウトチノキの交雑種、ベニバナトチノキも多く見かけます。こちらの冬芽には艶がありません。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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