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358.《ノキシノブ(軒忍)別名 コトナシグサ(事無草)》

358.《ノキシノブ(軒忍)別名 コトナシグサ(事無草)》
古くなった軒端などに生えるシダの仲間で、名前の由来にもなっています。
苔むした古木や、石垣、古くなったロープのようなものからも生えているのを見かけます。栄養や水を搾取するための寄生ではないので、適度な湿り気があり、やや薄暗い環境であれば、軒端に限らす生育することができるようです。
現在は檜皮葺きや茅葺きの建物が少なくなっており、軒端のノキシノブを見る機会は少ないかもしれません。
百敷や 古き軒端のしのぶにも なほあまりある 昔なりけり
百人一首にも登場する順徳院の歌です。ノキシノブが朝廷の権威が低下した「落ちぶれ感」を演出しているようです。
別名コトナシグサ(事無草)と呼ばれていました。
平安時代、物忌みの日(陰陽道の縁起の悪い日)には部屋に籠るという風習がありました。ノキシノブを御簾に付けたり、冠に挿したりしていたようです。
かざすとも たちとたちにし我名には ことなし草の かひやなからん
紀貫之の歌ですが、冠に挿したノキシノブは効果がなかったようです。
後に、「コトナシ」ということから、無事を願い、祈る草と認識されるようになりました。
葉裏の茶色い粒々は胞子嚢(胞子が収まった袋)です。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
苔むした古木や、石垣、古くなったロープのようなものからも生えているのを見かけます。栄養や水を搾取するための寄生ではないので、適度な湿り気があり、やや薄暗い環境であれば、軒端に限らす生育することができるようです。
現在は檜皮葺きや茅葺きの建物が少なくなっており、軒端のノキシノブを見る機会は少ないかもしれません。
百敷や 古き軒端のしのぶにも なほあまりある 昔なりけり
百人一首にも登場する順徳院の歌です。ノキシノブが朝廷の権威が低下した「落ちぶれ感」を演出しているようです。
別名コトナシグサ(事無草)と呼ばれていました。
平安時代、物忌みの日(陰陽道の縁起の悪い日)には部屋に籠るという風習がありました。ノキシノブを御簾に付けたり、冠に挿したりしていたようです。
かざすとも たちとたちにし我名には ことなし草の かひやなからん
紀貫之の歌ですが、冠に挿したノキシノブは効果がなかったようです。
後に、「コトナシ」ということから、無事を願い、祈る草と認識されるようになりました。
葉裏の茶色い粒々は胞子嚢(胞子が収まった袋)です。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)