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ニッセイ緑の財団ニュース

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188.《テイカカズラ(定家葛)》

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188.《テイカカズラ(定家葛)》

日本在来の植物で、雑木林などで木にからんで繁茂する常緑の蔓性植物です。
近年、生垣にしたり、スタンダード仕立てにして部屋に飾ったり、様々な姿で楽しまれるようになっています。

諸説あるようですが、古今和歌集に『マサキノカズラ』と詠まれているのはテイカカズラだという説もあります。

藤原定家にまつわる謡曲「定家」は、定家が、成就しなかった恋の相手である式子内親王の薨去後、
葛となってその墓に絡みついたという伝説を脚色したものです。
この墓に絡んだのがこの蔓で、テイカカズラと呼ばれるようになったという説があります。

名前の由来については諸説あるようです。

白く咲く花は、時間の経過とともに黄色味を帯びます。
結実して細長い果実を着けることもあります。
中には長い毛(種髪 しゅはつ)のある種子があり、風に乗って飛散します。

枝先に果実でもない、蕾でもない塊が見られることがあります。
タマバエの仲間が産卵したことによる虫こぶ(テイカカズラミサキフクレフシ定家葛実先膨五倍子)です。

また、蔓に白い粉が着いたようになっていることがあります。
アオバハゴロモという昆虫の幼虫です。

園芸用の品種である「ハツユキカズラ(初雪葛)」は人気があり、公園やお庭によく植えられています。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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