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ニッセイ緑の財団ニュース

記事公開日

308.《フジカンゾウ(藤甘草) 別名 フジクサ(藤草)》

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308.《フジカンゾウ(藤甘草) 別名 フジクサ(藤草)

ヌスビトハギを大振りにしたような姿で、淡いピンクの花を半日蔭の林縁部などで咲かせます。やや薄暗い森の中で咲く姿は、存在感があります。
花がフジに似ていることと、薬用植物として栽培されるカンゾウ(マメ科)に葉が似ていることからの名前と言われています。
一説に、カンゾウに似ているが、カンゾウではないことを表すためにフジとつけたとも言われています。
花後にできる豆果は、ヌスビトハギの豆果を大きくしたようで、ヌスビトノアシ(盗人の足)と呼ばれる地域もあるようです。ヌスビトハギ同様に、豆果の表面には鉤状の毛があり、動物や人の衣服に付着して運ばれ、分布を広げます。
いわゆる“ひっつきむし”と呼ばれる種子散布をする植物の仲間です。
葉は5~7枚の小葉を持つ複葉です。一方、ヌスビトハギの小葉は3枚なので、見分けるポイントになります。
江戸時代末期に近代的植物学を発展させた飯沼慾斎が著した『草木図説』には「ヌスビトノアシ、フヂカンザウ」と掲載されています。
また、江戸時代末期、イギリス人の植物採集家オルダムによって標本にされ、持ち帰られたという話が伝えられています。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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