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ニッセイ緑の財団ニュース

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360.《シュロ(棕櫚)別名 ワジュロ(和棕櫚)》

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360.《シュロ(棕櫚)別名 ワジュロ(和棕櫚)》

漢名の棕櫚を日本語読みにしたものというのが通説になっています。
中国原産という説もありますが、九州南部のものは自生だとする説もあります。
冬の気温の低かった日本の大部分の地域では幼苗の路地繁殖は困難で、庭木として植栽されていました。
「枕草子」に清少納言が「花の木ならぬは」と書き記していのが日本で最初の文献とされ、かつては裕福な家の庭に植えられる木でした。
雌雄異株で、春に咲いた花は夏の終わりころには結実します。種子は鳥が食べて種子散布をすると報告されています。
繊維質で、分枝しない幹は、お寺の鐘を搗く撞木に使われていました。また、シュロ皮と呼ばれたりする葉鞘毛は、耐腐性が強く、棕櫚縄、刷毛、たわしなど様々な用途に使われていました。時代と共に、化学繊維が主流となり、目にする機会が少なくなりました。
亜熱帯地域に生育していた植物で、種子から発芽した幼苗は、地面が凍結する寒さの中では生きていけませんでした。
近年の温暖化と共に、地面の凍結も少なくなり、実生苗の生育が可能となっています。思いがけない場所で芽を出し大きく育ち、東北地方にまで分布を広げているようです。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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