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ニッセイ緑の財団ニュース

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361.《タチバナ(橘)別名 ヤマトタチバナ(大和橘)》

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361.《タチバナ(橘)別名 ヤマトタチバナ(大和橘)》

日本在来の柑橘類と言われています。奄美大島から静岡辺りまでの地域に分布しています。
開花時に花が上向きに咲くことからの名前と言われています。
平安時代の内裏、紫宸殿の庭に左近の桜、右近の橘が植えられていました。雛飾りのルーツです。古くから神聖な樹木として神社仏閣の境内にも植えられおり、万葉集にも68首が詠まれています。
「古事記」「日本書紀」では不老不死の果実「非時香具菓(ときじくのかぐのこのみ)」と位置付けられて、垂仁天皇の命を受け、田道間守(たじまもり)が常世の国へ探しに行ったという話が伝えられています。
酸味が強く、少し苦味があるので生食には向かないようですが、昔は朝廷の果物(当時は「菓子」とされていました)として大切な存在でした。「菓子の長上」として、新嘗祭(にいなめさい:11月23日)などにも欠かせないものでした。儀式の日の天皇の食膳にも上がっていたようです。
 橘は 実さへ花さへ 其の葉さへ 枝に霜降れど いや常葉(とこは)の樹
聖武天皇の残された一首です。
春に咲いた花は秋に実ります。果実は翌年の開花時期まで残りますので「非時菓」です。
橘は文化勲章のデザインになっており、家紋にも見られます。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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