記事公開日
最終更新日
404.《シオデ(牛尾菜 四緒手)》

404.《シオデ(牛尾菜 四緒手)》
春の山菜としてご存知の方が多いかもしれません。鉛筆ほどの太さになる若芽は森のアスパラガスと呼ばれ、美味しいと人気の山菜です。
雌雄異株で夏に花を咲かせます。雌花は結実して丸い果実を作ります。果実は秋に黒く熟し、中からはオレンジ色の丸い種子が出てきます。
雑木林の林縁などで見られるつる植物で、細い巻きひげで絡みます。
名前の由来は諸説あるようです。若い穂先の姿から牛の尻尾を連想し、牛の尻尾のようなもの、即ち「牛尾デ」と呼んだものから“ウ”が消滅して“シオデ”となったという説があります。漢名として“牛尾菜”と書かれるのも同じ発想かと思われます。
秋田地方の民謡に「秀子節」というのがあります。シオデの方言、ヒデコに漢字をあてたと言われています。
牧野新日本植物図鑑には「シオデは北海道のアイヌの方言のシュウオンテによるものである」と書かれています。
生育条件により、太いものから細いもの、紫色を帯びたものなどの変異があり、まるで別の植物のように見えることもあります。
漢方では根茎と根を馬尾伸筋(ばびしんきん)と呼び、血行促進、関節炎、リューマチ、腰痛に効果があるとされています。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)