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362.《イラクサ(刺草)》

362.《イラクサ(刺草)》
日陰のやや湿った場所を好んで生育します。
葉や茎に白い毛が生えています。毛というよりは刺というべきかもしれません。「刺毛(しもう)」と呼ばれます。この毛に刺されるとイライラする痛みが残るからイラクサとか、刺のことを古くは「刺(イラ)」と言ったとか、語源は諸説あります。
一般に、植物の刺は、植物が自らを守るためのもので、多くの植物がもつ刺は、刺さったり、引っ掻いたりします。
イラクサの刺毛はちょっと違います。極細でガラス状のトゲは、根元の部分が少し膨らんでいます。この膨らんだ部分に毒液を溜めていて、人や動物がトゲに触れるとこの毒液が注入される仕組みになっています。イラクサに触れた後、いつまでも続く不快感はこの毒液によるものです。近年の研究で、この毒液の成分はヒスタミンやセロトニンの化合物との報告があります。
奈良公園のイラクサは、常にシカによる食害の危機にさらされているためでしょう、シカのいない場所のイラクサに比べて、刺の数が多いことが報告されています。
奈良公園に、シカのいない地域のイラクサを植えた実験では、移植したイラクサは生き残ることができなかったとの報告があります。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
葉や茎に白い毛が生えています。毛というよりは刺というべきかもしれません。「刺毛(しもう)」と呼ばれます。この毛に刺されるとイライラする痛みが残るからイラクサとか、刺のことを古くは「刺(イラ)」と言ったとか、語源は諸説あります。
一般に、植物の刺は、植物が自らを守るためのもので、多くの植物がもつ刺は、刺さったり、引っ掻いたりします。
イラクサの刺毛はちょっと違います。極細でガラス状のトゲは、根元の部分が少し膨らんでいます。この膨らんだ部分に毒液を溜めていて、人や動物がトゲに触れるとこの毒液が注入される仕組みになっています。イラクサに触れた後、いつまでも続く不快感はこの毒液によるものです。近年の研究で、この毒液の成分はヒスタミンやセロトニンの化合物との報告があります。
奈良公園のイラクサは、常にシカによる食害の危機にさらされているためでしょう、シカのいない場所のイラクサに比べて、刺の数が多いことが報告されています。
奈良公園に、シカのいない地域のイラクサを植えた実験では、移植したイラクサは生き残ることができなかったとの報告があります。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)