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313.《シオン(紫苑)別名 オニノシコクサ(鬼の醜草)》

313.《シオン(紫苑)別名 オニノシコクサ(鬼の醜草)》
名前は知っていても、野外で見かけることは稀な植物の一つです。
中国名「紫苑」がそのまま日本に伝わったものといわれています。
根を煎じたものが咳止め、去痰剤になることから、古い時代に中国、朝鮮から薬草として持ち込まれたという説があります。
渡来した後、各地で野生化していったようですが、平安時代頃からは、観賞用に栽培もされたようです。紫苑色という日本伝統の色が源氏物語などの文学にも登場します。
現在では自生しているのを見られるのは山口県の秋吉台や、九州の阿蘇山の原野など、ごく一部の地域のみになっており、環境省のレッドデータブックに絶滅の危険性が増大している絶滅危惧種Ⅱ類として掲載されています。
1.5~2㍍にもなる草丈では、都市部のお庭には不向きで、植栽されたものでも目にする機会が少なくなっています。
今昔物語に亡父の墓にシオンを植えて父を忘れないように供養を続けた男がいて、その孝心に鬼が感動して、以後、守ってくれたという話があります。シオンを「思い草」「鬼の醜草」と呼ぶ由縁と言われています。
近年では、草丈の低いチョウセンシオン(朝鮮紫苑)を多く見かけます。(最後の写真)
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
中国名「紫苑」がそのまま日本に伝わったものといわれています。
根を煎じたものが咳止め、去痰剤になることから、古い時代に中国、朝鮮から薬草として持ち込まれたという説があります。
渡来した後、各地で野生化していったようですが、平安時代頃からは、観賞用に栽培もされたようです。紫苑色という日本伝統の色が源氏物語などの文学にも登場します。
現在では自生しているのを見られるのは山口県の秋吉台や、九州の阿蘇山の原野など、ごく一部の地域のみになっており、環境省のレッドデータブックに絶滅の危険性が増大している絶滅危惧種Ⅱ類として掲載されています。
1.5~2㍍にもなる草丈では、都市部のお庭には不向きで、植栽されたものでも目にする機会が少なくなっています。
今昔物語に亡父の墓にシオンを植えて父を忘れないように供養を続けた男がいて、その孝心に鬼が感動して、以後、守ってくれたという話があります。シオンを「思い草」「鬼の醜草」と呼ぶ由縁と言われています。
近年では、草丈の低いチョウセンシオン(朝鮮紫苑)を多く見かけます。(最後の写真)
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)










