1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

ニッセイ緑の財団ニュース

記事公開日

最終更新日

342.《サイカチ(皀莢)》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

342.《サイカチ(皀莢)》

冬に葉が落ちると巨大な注射針のようなと表現される刺で存在感を増します。
また、10~20㌢もある大きな豆果が目立つのもこの季節です。
サイカチの種子(豆)は、古くから利尿や痰切りの効果がある漢方薬として知られています。豆果の莢はサポニンを多く含み、洗剤として使われていました。
利用価値の高かったサイカチは、副収入のために武家屋敷に植えられていたという話があります。
江戸時代、鷹狩りを行っていた鷹場の村にはサイカチの豆果の上納が義務付けられていたという話が伝わっています。馬を洗うのに使われていたのだそうです。
現在は農機具を洗うのにサイカチの豆果を束にして使っておられる地域もあるようです。
地名にサイカチ坂とかサイカチ橋とかが残っているのは、生活に密着した存在であったことに由来するものかもしれません。
刺は枝が変形したものと言われています。この刺によって、村落に入って来る邪気を払う意味を込めて、村落の入口などに植えられたとも言われています。
萌芽力が強く、切株から萌芽することもあります。
カブトムシが樹液を吸いに集まる木で、カブトムシのことを「サイカチムシ」と呼ぶ地域もあります。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加