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373.《セキショウ(石菖)》

373.《セキショウ(石菖)》
小川の縁など、比較的、水に近い環境を好んで生育します。
端午の節句に飾るショウブ(菖蒲)に似ていますが、全体に小ぶりです。ショウブが葉の中央部分の脈が鮮明なのに対して、セキショウは細い葉の中央部分の脈が不明瞭です。太いひげ根で石を抱くように育つショウブの意からの名前と言いう説があります。
根茎には芳香(根茎を揉んだりすると香ります)があります。ショウブも香りますが、セキショウの方が香りが強いとの感想も耳にします。この香りは意識をはっきりさせる効果が報告されています。また、鎮静作用もあり、物忘れ、躁鬱(そううつ)などにも有効とされて、注目されています。
大分県別府市の鉄輪温泉かんなわおんせんの蒸し湯では、鎌倉時代開湯以来、セキショウを敷き詰めた石室でその香りが楽しまれています。
古くから湧水のあるところなどに多く見られていた植物で、その芳香の有効性と共に、生活に密着していた植物だったようですが、生活パターンの変化と共に、顧みられることは稀になっています。
一般的には虫媒花とされています。理由は明確になっていないようですが、結実することは少なく、分株による繁殖が主流です。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
端午の節句に飾るショウブ(菖蒲)に似ていますが、全体に小ぶりです。ショウブが葉の中央部分の脈が鮮明なのに対して、セキショウは細い葉の中央部分の脈が不明瞭です。太いひげ根で石を抱くように育つショウブの意からの名前と言いう説があります。
根茎には芳香(根茎を揉んだりすると香ります)があります。ショウブも香りますが、セキショウの方が香りが強いとの感想も耳にします。この香りは意識をはっきりさせる効果が報告されています。また、鎮静作用もあり、物忘れ、躁鬱(そううつ)などにも有効とされて、注目されています。
大分県別府市の鉄輪温泉かんなわおんせんの蒸し湯では、鎌倉時代開湯以来、セキショウを敷き詰めた石室でその香りが楽しまれています。
古くから湧水のあるところなどに多く見られていた植物で、その芳香の有効性と共に、生活に密着していた植物だったようですが、生活パターンの変化と共に、顧みられることは稀になっています。
一般的には虫媒花とされています。理由は明確になっていないようですが、結実することは少なく、分株による繁殖が主流です。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)