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ニッセイ緑の財団ニュース

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376.《ムラサキケマン(紫華鬘)》

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376.《ムラサキケマン(紫華鬘)

直射日光の当たらない木陰や林縁のやや湿ったところなどで普通に見られる春を代表する植物の一つです。
ケマン華鬘とは、大きなお寺などで見かける金属の装飾具で、天井から吊り下げられています。いろいろな解釈があるようですが、紫色の花がこの華鬘に似ていることからの名前という説があります。
全草有毒です。死亡例の報告はありませんが、嘔吐、心臓麻痺などの症状が出ることがありますので、不用意に口に入れることは危険です
花は独特の筒状で、後方に「距(きょ)」と呼ばれる部分が突き出しています。この距の中に蜜を溜めて虫を呼びます。ハチの仲間などの小さな昆虫が受粉に貢献します。
熟した果実は軽く触れただけで、下から上に果皮を巻き上げるように弾けて、種子を飛ばします。そっと手で包むように触ってみて下さい。手の中で小さな心地よい刺激を感じることができます。手の中には黒光りする小さな種子が残ります。種子には、アリの好きな物質を含むエライオソーム(種枕しゅちん)が付着しており、アリによって親株から離れた場所に運ばれます。
種子から発芽して開花するまでに二年かかり、開花、結実して種子散布をしたら、親株は一生を終えます。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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