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388.《オオカモメヅル(大鷗蔓)》

388.《オオカモメヅル(大鷗蔓)》
つる性の多年草で、林縁部や林内など、比較的身近な場所に生育していますが、つる性であることから刈り払いされることが多く、花、果実を見る機会が少ないのが残念です。
初夏に星形に深く切れ込んだ小さな花を咲かせます。花色は暗紫色、淡紫褐色、淡黄緑色と変異が多く、各々の色にファンがいらっしゃるようです。
花冠(かかん:花弁)の内側、各花弁の内側に艶のある暗紫色の小さな粒、副花冠(ふくかかん)が目立ちます。
対生する葉の姿を、羽を広げたカモメの姿に喩えた名という説があります。同じ仲間で、葉の大きさが小さいコバノカモメヅル(小葉の鷗蔓)やコカモメヅル(小鷗蔓)という名の植物もあります。
花後、先の尖った2個の果実(袋果:たいか)をつけます。1個の花から2個の袋果ができます。
秋に熟した袋果は、裂開して、綿毛(種髪:しゅはつ)のある薄っぺらな種子を吐き出します。種子は風に乗って飛散し、分布を広げます。
種子の綿毛は種子から離れやすく、少しの衝撃で離れて種子の着地を確実なものにします。
結実率が低く、花の数だけの結実は望めませんので、種の旅立ちの光景にはなかなか立ち会えないのが残念です。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
初夏に星形に深く切れ込んだ小さな花を咲かせます。花色は暗紫色、淡紫褐色、淡黄緑色と変異が多く、各々の色にファンがいらっしゃるようです。
花冠(かかん:花弁)の内側、各花弁の内側に艶のある暗紫色の小さな粒、副花冠(ふくかかん)が目立ちます。
対生する葉の姿を、羽を広げたカモメの姿に喩えた名という説があります。同じ仲間で、葉の大きさが小さいコバノカモメヅル(小葉の鷗蔓)やコカモメヅル(小鷗蔓)という名の植物もあります。
花後、先の尖った2個の果実(袋果:たいか)をつけます。1個の花から2個の袋果ができます。
秋に熟した袋果は、裂開して、綿毛(種髪:しゅはつ)のある薄っぺらな種子を吐き出します。種子は風に乗って飛散し、分布を広げます。
種子の綿毛は種子から離れやすく、少しの衝撃で離れて種子の着地を確実なものにします。
結実率が低く、花の数だけの結実は望めませんので、種の旅立ちの光景にはなかなか立ち会えないのが残念です。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)