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ニッセイ緑の財団ニュース

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331.《センボンヤリ(千本槍)》

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331.《センボンヤリ(千本槍)

一つの株が、春と秋、全く異なる姿の花を咲かせる植物です。マツ林や雑木林、その林縁部など、丈の高い草の繁茂が少ない場所を好んで生えています。
春は4~5月ころ、短い茎に紫を帯びた小さい白い花を咲かせます。花茎の長さも10㌢くらいです。春は大株だけに花をつけ、小株には花をつけません。
秋、9~11月に咲く花は、これが花?と言われるような風情です。先端に緑色の膨らみのある長い茎が何本も立ち上がります。この姿を槍に見立てた名前と言われています。
この花は閉鎖花(へいさか)と呼ばれ、開くことなく、自家受粉をして種子を作ります。
春に咲く花のように、他の花の花粉で受粉をするタイプの花を、秋の閉鎖花に対して、開放花(かいほうか)と言います。
春の花が咲く頃は、短い葉を数枚出すのみですが、夏になると、新たに大きな葉をたくさん伸ばします。そこから数本の閉鎖花を出します。閉鎖花は開花することなく、いきなり綿毛をもった種子(痩果:そうか)になり、風に乗って飛散します。生育地の光条件が悪くなることを避けるために、同じ場所に留まらず、離れた場所に新天地を求めようとしている姿と言われています。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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