1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

ニッセイ緑の財団ニュース

記事公開日

最終更新日

330.《サシバ(差羽)》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

330.《サシバ(差羽)

夏鳥として各地の里山にやってくる馴染み深いタカです。
「ピックィー」と良く鳴きますが、鳥の鳴き声を人の言葉に置き換えて表現する聞きなしでは「キス・ミー」と表現されることもあり、猛禽とは言え愛嬌を感じさせるタカです。
サシバが舞う谷津田の水田風景は豊かな里山の象徴とも言え、いつまでも残したい日本の原風景です。
谷津田の端の雑木林や電柱に止まってカエル、ヘビ、トカゲ、などを見つけてはサッと飛び降りて捕まえ、子育てをします。
渡りをする代表的なタカで、秋の渡りの経路となる長野県の白樺峠や愛知県の伊良湖岬では、多い時には一日で数千羽ものサシバが渡る様子が見られ、壮観です。
タカは上昇気流を利用して輪を描きながら空高く昇り、そこから横に流れる様に滑空して飛んでいくことを繰り返して渡っていきます。その為時折空に昇っていくタカの群れが現れることが有り、タカ柱と呼ばれています。
宮古島ではその昔、長旅で疲れ果てたサシバが沢山渡ってくるので、手取りにして食料にしたと言われています。今でもサシバは土産物の意匠に使われるなど宮古島の重要な観光資源です。
安武 弘幸氏(NPO法人千葉県森林インストラクター会会員・千葉県野鳥の会会員)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加