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ニッセイ緑の財団ニュース

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391.《マテバシイ(馬手葉椎)》

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391.《マテバシイ(馬手葉椎)

九州南部から南西諸島に自生する日本固有の種ですが、丈夫で成長が早く、乾燥、潮風にも強く、育てやすいため、寒冷地を除く多くの地域で街路樹、公園樹、防風林として植栽されています。
秋に熟す大きなドングリが知られていますが、初夏に花を咲かせて目を引きます。
同じ株で、雌雄の花が別々に咲きます。受粉した雌花は次の年に熟してドングリになります。そのため、花が咲く季節には、今年の雌花と、まだドングリになりきっていない昨年咲いた雌花が見られます。
名前の由来は諸説あります。一説に、大きなドングリの味が、待てばシイ(スダジイ)のように美味しくなれるという説があります。渋みの少ない美味しいドングリです。
千葉県など海が近く、海苔養殖の行われている地域では、昭和40年代半ば頃まで葉を取ったマテバシイの枝を海に挿して海苔ヒビとして利用され、盛んに植林されていました。現在の海苔養殖は網を張る方法に代わりましたので、海苔ヒビの光景を見ることはなくなりました。
薪炭材などにも利用されていた木ですが、生活様式の変化に伴い利用されることもなくなりました。放置された林は水源涵養機能の弱い問題の多い森となっています。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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