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321.《アキニレ(秋楡)別名 イシケヤキ(石欅) カワラケヤキ(川原欅)》

321.《アキニレ(秋楡)別名 イシケヤキ(石欅) カワラケヤキ(川原欅)》
本州中部以北の山地帯に多く生育して、春に開花、結実するハルニレ(春楡)に対して、本州中部地以西の丘陵に多く生育し、秋に開花、結実してアキニレ(秋楡)です。
ニレは「滑(ぬ)れ」の意で、樹皮をはがすと、その下の汁が粘液でヌルヌルすることからの名という説があります。
アキニレは樹の材質が硬いことでも知られており、姿がケヤキに似ていることからイシケヤキ、川原に生えることが多いのでカワラケヤキとも呼ばれます。
秋に咲く小さくて地味な花が注目されることは少ないのですが、雌しべの柱頭が目立ちます。花後にできる翼のある扁平な果実は、風に運ばれて飛散し、発芽するので、問題になることもあります。
この果実はベニマシコという鳥が好んで食べます。都会の公園では、スズメが群れて食べているという報告があります。
奈良 興福寺の国宝、阿修羅像は麻布と漆で何層にも塗り固めた脱活乾漆造(だつかつかんしつづくり)という技法で知られています。この漆にアキニレの樹皮の粉を混ぜた木屎漆(こくそうるし)という技法が使われていることが分かって、話題になったことがあります。
奈良公園の中にはアキニレが沢山見られます。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
ニレは「滑(ぬ)れ」の意で、樹皮をはがすと、その下の汁が粘液でヌルヌルすることからの名という説があります。
アキニレは樹の材質が硬いことでも知られており、姿がケヤキに似ていることからイシケヤキ、川原に生えることが多いのでカワラケヤキとも呼ばれます。
秋に咲く小さくて地味な花が注目されることは少ないのですが、雌しべの柱頭が目立ちます。花後にできる翼のある扁平な果実は、風に運ばれて飛散し、発芽するので、問題になることもあります。
この果実はベニマシコという鳥が好んで食べます。都会の公園では、スズメが群れて食べているという報告があります。
奈良 興福寺の国宝、阿修羅像は麻布と漆で何層にも塗り固めた脱活乾漆造(だつかつかんしつづくり)という技法で知られています。この漆にアキニレの樹皮の粉を混ぜた木屎漆(こくそうるし)という技法が使われていることが分かって、話題になったことがあります。
奈良公園の中にはアキニレが沢山見られます。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)