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421.《カラムシ(苧)》

421.《カラムシ(苧)》
道端に普通に生えている多年草です。イラクサ科の植物で、似たものが多いのですが、葉裏に白い綿毛が生えているので、比較的わかりやすいようです。
諸説あるようですが、縄文時代晩期に中国から朝鮮半島を経て日本へ伝播したという説があります。縄文時代に使われていた縄の材料の一つと確認されています。繊維を採るために栽培されていたものが逸出して、野生化したと言われています。
日本書紀、持統天皇の条に、天皇が詔を発して民に栽培を奨励するべきとされた草木の一つにカラムシが挙げられています。現在では、新潟の越後上布や小千谷縮布、沖縄の宮古上布や八重山上布など、高級織物の素材として知られています。高級織物の需要の高まりと共に、産地では肥沃な土地で肥培管理をした高品質なカラムシ繊維が作り出されています。
熊本ご出身の方が、戦時中、学徒動員された時、カラムシの繊維で戦地への慰問袋を作ったという話をして下さいました。道端で採取できる丈夫な繊維だったのでしょう。
目立ちませんが、夏に花をつけます。種子は1㍉に満たない微細なものです。
フクラスズメという蛾の幼虫の食草としても知られています。葉を食べつくされている光景も見られます。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)






